人気ブログランキング | 話題のタグを見る

東京都小平市 絵画造形「アトリエことこと」

akotokoto.exblog.jp
ブログトップ

改めてパン研究中

昨年やっと自然発酵種のパン教室(工房)を再開しました。そのことで私自身、多くの学びと反省、そしてまだまだ研究が足りない! という思いを強く持ちました。滋養があって美味しくて、見た目も格好よく、食べて元気が出るパン。特別だけど特別じゃない、生活に密着したパン。そんなパンを、どの家庭でも焼けるようにしてもらうにはどうしたらいいか?

私は「天然酵母」というキーワードからパンの世界に入り、自家製酵母液を使ったパンやホシノや白神こだまなど市販の天然酵母を使ったパン、そしてぬか床のように種を継ぎ足していく自然発酵種を使ったパンを焼いてきました。「天然酵母」にこだわっていたこともあり、インスタントドライイーストなどのパンはあまり焼いてきませんでしたが、最近はそんなこだわりも捨てつつあります。

微量のドライイーストでゆっくり時間をかけて作ると、すっごく美味しい!! 

そのことに気付いたら、パン作りがまたさらに面白くなってきました。ほんの少しのイーストの力を借りれば、自然発酵種を使ったパンの良さを生かしつつ、弱点は克服できる! と感じています。何でもそうだけど、パン作りって奥深いな〜と思う今日このごろです。

なので研究といったら大げさですが、人に教える前に、もう少しいろいろ勉強したいなと思い、パン教室は一時休止することに。「次はいつ開催するの?」と思ってくださっている方へ。春頃の再スタートをめざしているので、もう少々お待ちください〜!!


というわけで、とりあえず私が最近どんなパンを焼いていたかなど、ご紹介します〜♪

改めてパン研究中_c0162965_11543019.jpg

↑私が好きなパンは、やはりハード系のシンプルパン。毎日食べても飽きず、油脂や砂糖もほとんど使わないので体への負担が少ない、食事としてのパンです。カンパーニュだと細かい成形の手間もないので、大きなカゴに入れて2次発酵させデーンと大きく焼いても、1週間くらい日持ちするので楽です。見た目も好きなので、カゴの形も、丸だけでなく、オーバル、小判など増えてきました。


改めてパン研究中_c0162965_11551034.jpg

↑ハード系パンが好きといいつつ、ごくたまにバターロールなどソフト系のパンも焼きます。普段あまりフワフワパンや菓子パンは作らないので、私も家族も新鮮ですが、慣れていないので手つきや勘が怪しいです。。。

改めてパン研究中_c0162965_11552199.jpg

↑やっぱりバゲットを格好良く、美味しく焼けるようになるのが憧れです。
私は自然発酵種とカンパーニュの相性はすごくいいと思っています。天然酵母らしい少しの酸味を含めた味の深み、ふんわりした中にもある程度の重さを出せるので。ライ麦や全粒粉などとの相性もバッチリですし。それに何も考えず、放っておいても美味しいパンになることが多いので、日々のパンにはカンパーニュ系のパンを焼くことが多いのですが、やはりバゲットを上手く焼けるようになりたい。

今まで自然発酵種でバゲットを作るのは難しいと思い、苦手意識で何となく作るのを避けてきましたが、今こそ挑戦せねば!と思っています。究極にシンプルなパンですが、粉の種類を変えたり、加水率を変えてみたり、発酵種を入れるか入れないか(入れるならどれくらい入れるか)、ミキシング方法や時間、こね上がりの生地温度、発酵のときの温度と時間、パンチの入れ方、成形方法、スチームの入れ方、オーブンの温度、焼成時間など考えることは沢山あります。一瞬たりとも気が抜けなくて、一日中、キッチンにいることもしばしば。一度に作り方を変えたバゲットを数種類仕込んだりするので、頭がこんがらがったりしています。

でもほんの微量のインスタントドライイーストを使うようになって、見た目はまだまだですが、味は目指しているようなフワッと軽い食感の美味しいバゲットが少しは焼けるようになってきました。加水率を高くすると扱いにくく、成形がうまくいかなくてクープがキレイに開かなかったり、底割れしたり、すっごく焦げてしまったり。。。失敗の方が多いのですが、めげずに自分のものにしていきたいと思っています。


改めてパン研究中_c0162965_11553034.jpg

↑バゲットでめげそうになったら焼くのはカンパーニュ。見た目よく美味しく焼けると元気が出ます。

そしてつい最近、銅板デビューしました!! いつもは、カンパーニュの生地にオーブンに入れても大丈夫な無水鍋をかぶせて焼いていますが、今回は被せなしで、初めて銅板を天板の上に敷いて余熱し、焼いてみました。うまくいくかドキドキでしたが、高さ11センチにまで生地が持ち上がり、なかなかの出来に。銅板焼成、なかなかよいです。

我が家はガスオーブンなのでパワーがあり300度でしっかり余熱し、霧吹きなどでスチームを入れれば、大抵のハード系パンはよく焼けます(と自分では思っています)。ですが、銅板を使うともっとよいのでは?と思い、以前から買うか迷っていました。

なぜ迷うかといえば、銅板自体は家にあったから。私が美大で銅版画を専攻していた時に制作で使った銅板があったからです。買うとだいたい1枚5000円くらい。当たり前だけど2枚で1万円。
それをわざわざ買わなくても、我が家にはエッチングし腐食された、捨てるに捨てられなかった銅板があるじゃないか!!! ということで、節約で夫が銅板の腐食を防ぐための塩化ビニールをはがし、銅板をオーブン庫内サイズにカットし、縁と表面を磨いてパン焼成用の銅板に生まれ変わらせてくれました。

上の写真の銅板、見えるかな? よく見ると、ニードルを使って銅板の表面に絵が描いてあります。テーマは確か「群像」だったような。。。「このちょっと怖い絵でパンを焼くなんて…」と言われそうですが、約20年前の銅板をリニューアルできて、嬉しいです。


改めてパン研究中_c0162965_11554028.jpg

↑自然発酵種を使ったパンのバリエーションを増やすべく、久しぶりにベーグルを焼いています。ベーグルはこね時間が短く一次発酵しなくてもいいのですが、自然発酵種を使う場合は、やはりある程度のこねと発酵の時間は必要だなと思っています。プレーンを半分にスライスし、ハム&チーズ&人参千切りサラダやレタスを挟んで食べたり、ココナッツオイルと蜂蜜を塗ってトーストしても美味しい。
白い粉だけでなく、ライ麦や全粒粉入た入ったカンパーニュの生地にレーズンとシナモンを巻いたベーグルもいいですね。


改めてパン研究中_c0162965_11555649.jpg

↑こちらは以前作り置きしていたオレンジピールが余っていたので、急きょ成形時にレーズンと一緒に巻き込んだパンです。焼成中、クープから見事にレーズンが飛び出し、真っ黒焦げになりましたが、味は美味しかったです。
by atelier-kotokoto | 2015-02-13 12:29 | 酵母パンアルバム