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東京都小平市 絵画造形「アトリエことこと」

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短歌集『父の想い出』1

2008年の父の日に、短歌集を作ってプレゼントしました。
母には「最近、短歌に目覚めてちょっと作ってみてるの」というようなことは、少し伝えていたのですが、父には全く知らせていませんでした。
父は仕事で、直接手渡しはできなかったけど、照れくさいのでちょうど良かったかも。
目次はこんな感じです。↓
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<目 次>

………●父の想い出

………●つれづれ短歌

………●おまけ

       自由短歌
       私がやりたかったこと。俵万智について 
       詩
       最近考えていること
       最近の親子の会話
       あとがき
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父への短歌がメインですが、家族の思い出や、母のことを詠った歌もあります。
川柳らしきものや、詩、散文も混じっています。
ちょっと長いので、とりあえず、最初の「父の想い出」の前半より。

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★父の日に何を贈るか思案して秘かに紡ぐ父の想い出

例年のように、母の日のおまけでは申し訳ない。今年の父の日は、父がびっくりするような贈り物をしようと考え、私の中でひっそりと閉まってあった父の想い出の箱を開けてみることに。喜んでくれるかは分からないが、ことばを歌にして紡いでみようと思う。



★父さんの職業なにかと聞かれたが答えられない小五の私

小学生の頃、学校でお父さんの仕事を説明する時間があった。クラスの皆は問題なく答える中で、私はなかなか言葉が出ずに困った覚えがある。何とか「うちのお父さんは、ギターを弾く《ぎたりすと》で、一日おきに学校に泊まる《けいびいん》もしている」と言ったと思うが、うまく伝わらなかった。



★休日の父の仕事場体育館プールで遊ぶ子連れオオカミ

夏休みになると特別に、父の仕事場である小学校や中学校に、妹と遊びに連れて行ってもらった。誰もいない体育館でバスケットボールや卓球をしたり、葉っぱの浮いたプールを貸し切り状態で泳いだり。広々とした学校は、優越感と共に、少しの寂しさも感じられた。たまに仕事仲間(?)に会うと、父は決まって「今日は子連れオオカミですから」と言う。そのたびに「私はオオカミの子じゃないのにな」と思っていた。



★いつもそう父が作った夕飯は野菜炒めと魚の煮付け

「よーし! 今夜はオトウチャンが夕飯作るぞ。待ってろよ、美味いぞ〜」という日は、決まってたっぷりの野菜炒めと、つぶつぶの卵が入った魚の煮付けだった。ガシャンガシャンバンッなどと大きな音をたてながら、台所で豪快に作り始める父。魚の煮付けはあまり嬉しくなかったが、魚の白子など、母は決して出さないようなメニューが飛び出すこともあり、それはそれで面白かった。駅前市場と東武ストアも、よく買物に行っていて懐かしい。



★真っ赤か父の手作り弁当はケチャップ味の魚肉とイチゴ

いつだったか、父が私のお弁当を作ってくれた。開けてびっくり! 中はケチャップ味のキャベツ&魚肉ソーセージの炒め物と、デザートのイチゴ。ちょっと潰れて白くなったイチゴにまでケチャップが付いていて、父らしいお弁当だ。なんだか今も甘酸っぱい。



★夏休み家族引き連れ山登る父の姿はやけに頼もし

小学生くらいまで、年に1、2回の家族旅行といえば、山登りがほとんどで、山小屋に泊まって自炊することもあった。ゴツい登山靴を履き、一番大きくて重たいリュックを背負う父の姿は、都会にいるときと比べ、やけに男らしく格好良く見えた。それにしても、山で食べるカレーやインスタントラーメンは美味しかったなぁ。



★山雪で五月連休日焼けして肌の黒さが少し誇らし

家族旅行の中でも忘れられない思い出の一つ。ゴールデンウィーク中で地上は初夏の陽気だというのに、山の上の方には雪が残っていた。半袖姿でワクワクしながら白く眩しい雪の山道をしばらく歩いたと思う。連休明けに学校へ行くと、日焼けして鼻の頭の皮が剥けている私の顔を見て、クラスの皆が驚きうらやましがってくれた。



★旅行先 夫婦喧嘩は 風物詩

必ずといっていいほど、旅行へ行くと父と母が喧嘩する。大抵、父の一言が原因で母がムスーッと黙り続けるが、最終的には母が爆発して仲直り(?)するパターン。途中、姉妹で仲裁に入ろうとするも、空しさが募るばかり。子ども心に、よく喧嘩する夫婦だなと思った。



★給食で初めて触れたライチの実食べずに母に持ち帰った夏

給食で冷凍ライチが初めて出て、そのグロテスクな姿(当時はそう感じた)に驚いた。母の喜ぶ顔、びっくりする顔が見たくて、ドキドキしながら解けたライチを持ち帰った。
by atelier-kotokoto | 2008-08-23 00:47 | 短歌